漆山
先日、小笠原富輝さん所有の山に行ってきました。
目的は山菜採りではなく漆の木の状態を見るためです。
平成16年から年に30本、4年がかりで20アールの広さに
計120本を皆で植樹しました。
現在約70本が生育中。
育たなかったのは、自然体での自生力の調査の意味もあってあえて手をかけ過ぎず
雪でおしつぶされたり折れたり根腐れをおこしたりして育たなかったのと、
まだ背丈が小さい時の草刈時に間違って伐ってしまったためです。
(漆の木より草のほうの背が高く草刈機を使用したので)
生育中の木は病気にかかること無くすくすく元気に伸びました。
実生の苗、野生の漆の木、根で増やした苗の3パターンを実験的に試みましたが
‘今さんの還暦のお祝いを兼ねての漆掻き’を目的に掲げてきました。
あれから10年、今年がちょうどその年です。
漆を採取するには時間がかかりますし、一本の木から200ccしかとれないんです。
木の血液とも言える樹液、一滴でも無駄にできない大切な自然からの贈り物です。
来月には漆掻きができそうなので、記録したいと思います。
漆を採るまでも大変、木を育てるのも大変、器にするのも大変時間がかかるもの。
いろんな方々の思いも入っており、また森と共に生きている事を改めて感じます。
時代は増々速くなりストレス社会となっていますが、時々自然に身を委ねてゆったり
落ち着いた時間が必要なんだと思います。
一つのお椀が出来るまでには様々な物語があります。
思いを巡らす事によって味わい深く豊かなモノとの関係ができると思います。
山の恵み、もうひとつタラの芽
小笠原さんが、その場で探してくれました。(その日の夕飯はタラの芽の天ぷら)
こちらは漆の新芽
タラの芽と漆の新芽、良く似ております。
知り合いの知り合いが間違って漆の新芽を食べて全身に漆がでて入院したとか。
いや〜、山の恵みも間違うと怖い。